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掛けたい相手に電話を一発で掛けれるんや。
そう、着歴画面を見んでも外すことないんやで。
「あ、侑士?」
ワンコールも鳴らないうちに出てくる相手。
メールより電話派の侑士は、ケータイをどこかに置きっぱにする事が無いらしい。俺はしょっちゅう、ケータイを携帯せんでどないすんねん!って叱られるから、そこら辺は感心しといてやろうと思うわ。
『おー、今な、帰りやねん。もうちょぃで家なんやけど』
「はぁ?今帰り?遅ない?」
寒そうに、はーっと吐く息と傘に当たってるらしいぱさぱさという音が聞こえてくる。
ぱさぱさ……雪降っとんのかい。
『うん、部活の後に話し合いがな…今年も手に負えへんから、テニス部でやろうっちゅーやつの内容を…』
「は?なにそれ?」
主語が抜けた話に、頭を捻る。
やから普通に聞き返したら、笑い声が返って来よった。
『スマンスマン、バレンタインの話や。俺らとても自分だけでホワイトディでけへんから、跡部から〜とか俺から〜とかやのうて、テニス部からって事にしてお返ししてんねんやんか。そのプレゼントの中身の話し合いやねん』
去年はキャンディにしたから今年はクッキーで落ち着いたんやけどな〜
…って笑い声まじりの侑士の話を聞いとったら、
なんやこれ…
俺のとこも雪降ってきたみたいなんやけど…
『謙也ー?何黙っとんねん?寝とんのか?』
受話器の向こうの呼びかけにはっとする。
「ね、寝とらんわ!な、何や自分、ソッコー自慢か!」
しまった。つい、いつもの喧嘩腰になってもうた。
『こんなん自慢してもしゃぁないやろ〜俺の一人勝ちなんやから〜』
受話器の向こうの東京で、侑士が軽い笑い声を上げとる。
傘に当たる雪の音はいつの間にか消えて、板を踏む足音みたいのが…家に着いたんやろか。
暖かい家に入った侑士と反対に、俺の周りはどんどん冷えてくる。
なんや、凍えそうなんやけど…
『謙也の分は送ったろか、それとも春休みに会うた時でええ?』
…は?
「は?」
え、間抜けな声?じゃかぁしぃ!驚くに決まっとるやろコレ、話さっぱり分からんやろがコレ!!
俺の分てなにが!?
『は?・って何やねん、ホワイトディの話やっちゅーとるやろが。送るんでええよな、春休みやとばたばたするしな…』
「っちょ、ちょちょぉ待てや!」
話先行き過ぎっちゅー話やで!
「な、何で!?何が俺の分てなに!俺……」
バレンタインなんて贈ってへんのに。
そもそも、そないな事出来るわけあらへんて思っとって…
友チョコやとか色々、やろうと思えば出来たけど、それでも俺にとっては余計むなしくなるんやないかて思てでけんかって。
俺、本気で、
「ホワイトディの話やろ、何で俺が出て来んねん」
『この電話、バレンタインメッセージやろ』
「バ……」
なんやコイツ、何言うとんねん。
『日本のバレンタインて何する日か知っとるか?』
アホな質問が聞こえるけど、俺の頭はそれを上回るアホさになっとるっちゅーねん。
日本のバレンタインてアレやろ、告白する日やろ、
「チョコ渡して、告白…」
『せや、何て告白やった?』
「自分が好きです、て…」
好きです、て…
侑士に言うた、いや、質問に答えた瞬間、頭が沸騰したみたいになった。
今俺、言うた。言うてしもたわ。
『そぅや、分かっとるやん。で、バレンタインメッセージの電話やろ、で、せやからお返しの話をしとんねや』
「ゆ、侑士、あの俺、今の…!」
『1か月、ドキドキしながら待っとき』
ほなまたな、と切れたケータイのディスプレイをぼーっと見詰める。
俺の嫌いな待ち時間が、今回はもっと大嫌いになるっちゅー話や。
ソッコー、着歴を押して画面も見ずに通話ボタンを押す。
発歴も一番上、着歴も一番上のケー番。
むしろ同じ番号で埋まっとる。
「もしもし侑士!?さっきのっ…」
いくら2月が短くても、1か月も待てる女子は神やと思うわ。
END
………………
バレンタインネタです。
はい、今頃です。。
すみません。。。m(_ _)m
書いたのはちゃんと2月だったんですよ!!
でもほら、前にも書いた通り、テニミュ時期は優先順位の関係で推敲時間&更新がね…
はい、言い訳ですスミマセン。。
でも、コレはちゃんとタイトルどっかから取って来ないで自分で付けました
…って言えるような代物じゃないですがタイトルの推敲時間はまたなかったっテユー
余計なこだわりは、「シャーベット」を英国スペルにしたこと
でも意味は普通のシャーベットでとって欲しいので、ココに補足しておきます
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